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強度推定調査の6つのポイント

強度推定調査の6つのポイント
シュミットハンマー法(反発度法)と測定原理
シュミットハンマーの精度確認
シュミットハンマーの操作手順
シュミットハンマーの点検

強度推定調査の6つのポイント
点検された測定装置を用いる
■測定を行う前には、必ずテストアンビル(検定器)を打撃し、テストハンマーが正しく調整されているかどうか確認する。
●多数回打撃した後や長期間使用しなかった場合。
⇒バネの硬さや内部の摩擦等が変化し、正しい試験結果が得られなくなります。
●2,000回~3,000回の打撃回数をめどに整備、検定。
⇒作動部の摩擦が大きくなるなどの理由
●整備、検定等の詳細は、製造者へ問合せる。
乾燥した状態で測定する
■コンクリート表面が濡れている、または湿っている場合は、同じコンクリートを気乾状態で測定した場合と
比較すると反発度が小さくなる。濡れていたり、湿っている場合はなるべく測定を避けてください。
■どうしても濡れている箇所での測定が避けられない場合は…
●マニュアルに記載されている場合には、それに従う
●定かではない場合は、以下の方法に従う
(1)測定位置が湿っており、打撃の痕が黒点になる場合
⇒測定された反発度に補正値『3』を加える
(2)測定位置が濡れている場合
⇒測定された反発度に補正値『5』を加える
●整備、検定等の詳細は、製造者へ問合せる。
測定は垂直にゆっくりと
■測定の際は、内部のバネの力で一定の衝撃が加わるようにゆっくりと操作する。
注)勢いをつけて操作すると、反発度が実際よりも
高く測定されることがあります。
●測定面に対して垂直
⇒特に上下方向の角度は注意する
●操作は必ず両手で行う
材齢28日から91日の間に測定
■テストハンマーを用いた反発度の測定結果とコンクリート圧縮強度の関係は、コンクリートの材齢により変化すると考えられています。
■しかし、必ずしも強度推定の精度が向上するとは言えないため、材齢28日~91日の間で測定し、補正係数は用いないこととする
■材齢28日~91日の範囲外での測定が避けられない場合には…
●材齢9日以前の測定…実施しない。
●材齢10日の測定…算出した推定強度の1.55倍
●材齢20日の測定…算出した推定強度の1.12倍
●材齢92日以降の測定…補正は行わない。
●材齢10日から28日までの間は比例配分した補正値を用いて評価する。
 
強度推定の方法
■これまでの研究から多数の換算式の提案があります。国土交通省では、土木用コンクリートを
主な対象としていることから、材料学会提案の強度換算式を使用し、強度の推定を行います。

※他の換算式は、材料学会提案式と大きく異なる可能性があるので使用してはいけません。
■国土交通省では、次の方法でテストハンマー強度を算出する。
●測定された20点の反発値の平均値を算出する。(すべての反発値が平均値の±20%以内か確認。)
●平均値から外れたデータを削除し、削除した数だけデータを追加。再度、平均値を算出する。
●測定方向は、地面に対して水平か?
⇒土木学会基準(JSCE-G504)を元に打撃方向を補正。
●測定面は乾燥しているか?
⇒測定面の乾燥状態に応じた補正を行う。(ポイント2参照)
●測定方向および測定面の乾燥状態に応じた補正を行った反発度(基準反発度)を用いて、次式により、テストハンマー強度を推定する。
F(N/m㎡)=(-18.0+1.27×R0)×α
F:
テストハンマー強度(N/m㎡)
0
基準反発度
α:
材齢係数
※ただし、材齢係数は、材齢10日~27日までの間に試験した場合のみ用いることとする。(ポイント4参照)
 
推定結果の評価方法
■コンクリートの強度推定は、簡単に、構造物を傷つけることなく実施する点では優れていますが、実構造物のコンクリート強度を
正確に推定できるわけではありません。
■国土交通省の調査では、複数回の試験を行うなどして、構造物の良否を判定する
■国土交通省では、次の方法でテストハンマー強度に基づくコンクリート品質評価を行う。
●1構造物あたり3箇所で反発度を測定。

●試験結果の平均値≧σck かつそれぞれの試験結果≧0.85σck(σck :設計基準強度)
⇒満たない場合、テストハンマーが正しいかどうか再度確認。
⇒測定箇所周辺で5箇所の反発度を再度測定。

●それでも満たない場合は、詳細な調査(コア採取など)を検討。

※強度推定調査は独立行政法人土木研究所の資料に基づいて行っております。

資料提供:富士物産